【カメラ設計者のひとりごと】マウントアダプターで画角や焦点距離が変わる?フランジバックの仕組みについて

カメラ

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本日は、マウントアダプターをつけると焦点距離が変わるのか?
35mm換算をする必要があるのか?について説明します!

カメラに違う種類のレンズを付けたい方、特にCanonのRFマウントのボディを買ったけど、高すぎてRFマウントのレンズが買えず、EFマウントを買うか検討している方は是非ご覧ください!(自分)

カメラに違うメーカーのレンズをつけたいんだけど、どうすればいいのかな?

マウントアダプターというボディとレンズを中継するアイテムがあれば、違うメーカーやマウント、オールドレンズをつけられる場合があるよ!

この記事がおすすめな方

・カメラに違うメーカーやマウントのレンズをつけたい方

・マウントアダプターをつけると画角が変わるのか気になる方

・フランジバックについてざっくり知りたい方

直接お話を聞きたい方は、よければInstagramからコメントorDMください。
可能な限りご相談にのります!(下の画像からInstagramに飛べます。)

マウントアダプターとは?

カメラボディに別のマウント(種類)のレンズをつける場合に、真ん中に挟む中継のアダプターです。

例えばCanonのカメラボディにSONYのレンズをつけたり、CanonのRFマウントカメラボディにEFレンズやオールドレンズをつける時にカメラボディとレンズの間に挟みます。

これのおかげでレンズの資産を使いまわせたり、購入するレンズの幅を広げたりできます。

マウントアダプターの疑問

実際につけてみるとふと疑問が。

マウントアダプターは、カメラボディとレンズの間に挟むため、物理的にレンズが長くなっちゃいます。

そうなると、撮影できる画角にも影響が出るのでは?と思いますが。

結論としては、影響しません!

同じセンササイズ間でマウントアダプターを挟む場合は、本来の画角のまま使用できます。

理由は次項で説明していきます。

マウントアダプターの役割

マウントアダプターの役割は2つあります。

①マウントの整合

ひとつめ。こちらはイメージがしやすいかと思います。

カメラボディとレンズの種類(マウント)が異なる場合に、2つを繋げられるようにする中継の役割を果たします。

②焦点距離(結像)の調整

こちらはイメージしにくいかと思いますので、図解もしながら解説します。

カメラというのは細かな光学設計で成り立っています。

小学生の頃の記憶を思い返すと、レンズを通った光が1点に集まると像ができると習った覚えがあります。

虫眼鏡で光を1点に集めて紙を燃やした経験がある方もいるのではないでしょうか?

光を1点に集めるために虫眼鏡の距離を調整しますが、この1点に集まった光(焦点が合ったところ)を結像といい、このレンズと像の距離を焦点距離といいました。

カメラの仕組みも同様です。

カメラの仕組みは、レンズを通った光がイメージセンサーで結像して、光電変換し記録します。

レンズに記載されている”◯◯mm”というのは、レンズの主点〜イメージセンサーまでの距離を表しています。

(基本的にレンズ設計は無限遠による焦点距離の位置にイメージセンサーを配置するので、有限遠の被写体に対する焦点距離と実像のイメージとは少し異なる点に注意です。)

そのため、焦点距離はレンズ〜イメージセンサーの物理的距離が大切になりますが、メーカーやシリーズによってカメラボディの長さが異なります。

これにより、別の種類のレンズをつけると焦点距離が合わず、使えなくなるわけです。

このカメラボディサイズの差(カメラボディ〜イメージセンサーの距離)を”フランジバック”といい、この差を調整するためにマウントアダプターが必要になります!

フランジバックとは?

改めてフランジバックとは、レンズとボディの結合部(マウント面)〜イメージセンサーまでの距離を示します。

フランジバックはメーカーやシリーズで設計値が異なりますが、”一眼レフ”と”ミラーレス”でも変わってきます。

同メーカー・フルサイズの一眼レフとミラーレスの方がフランジバックのイメージがつきやすいのでこちらで説明していきます。

カメラボディの差

一眼レフは構造上、イメージセンサーの手前にミラーが設置されています。

ミラーレスカメラは、その名の通りミラーをなくした一眼レフカメラです。(本当はレフ=光の反射ではないのでこの表記は誤りです。)

このミラーの有無で、カメラボディの長さに差が生じます。

フランジバックはマウント面〜イメージセンサーまでの距離とお伝えしました。

そのため、一眼レフの方がフランジバックが長く、ミラーレスはフランジバックが短く作ることができます!

レンズの差

カメラボディにより生じたフランジバックに合うよう、レンズが設計されます。

大切なのはレンズの焦点距離で、イメージセンサーで結像するためには焦点距離を正しく合わせることが必要です。

考え方を簡単にするため、一般的には[焦点距離=レンズの中心〜イメージセンサーの距離]としています。

そうすると、[焦点距離=レンズ中心〜レンズ端の長さ+フランジバック]になります。

つまり、カメラボディのフランジバックにより、焦点距離を整えるためレンズの長さを変わる仕組みです。

ただ、マウントアダプターは距離を伸ばすことしかできない点は注意が必要です。

もともとフランジバックの長いカメラには使えません。

実際の例

例えばCanonのフルサイズ一眼レフ(EFマウント)はフランジバックが44mmに設計されています。

Canonフルサイズミラーレス(RFマウント)はフランジバックが20mmとなります。

もしRFマウントのカメラボディにEFレンズをつけたい場合、44mm-20mm=24mm分ボディを伸ばす必要があります。

これを稼ぐため、EF-EOS Rというマウントアダプターが発売されており、長さは24mmとなっております。

よって、最初の疑問であったマウントアダプターをつけると焦点距離が伸びて、撮影できる写真が違っちゃうのか?に対する答えはNoです!

そのため、安心してマウントアダプターを購入してください!

マウントアダプターの注意点

・フランジバックの長いカメラにはつけられない。(ミラーレス用レンズを一眼レフにはつけられません)

・オートフォーカス機能など電子接点を必要とするものが使えなくなる。(純正なら配慮されてる場合がほとんどですが、サードパーティ品など注意)

・フォーカス位置がズレる。(光学設計は精密なので少しの差でピントがずれます。マウントアダプターを挟むことで正確でなくなる可能性があります。)

・重くなる。(純粋に多少重くなります。)

・レンズ面、ボディ面を間違えるとつけられない。(ちゃんとみてから買いましょう!)

実際にレンズやマウントアダプターを購入する際は、レンタル品を使ってみるのもおすすめ!

格安でお試しのできる「GOOPASS」さんは、なんやかんや便利なので、よければご利用ください。

まとめ

以上がマウントアダプターの説明と、画角や焦点距離への影響でした!

簡単にまとめると以下になります。

マウントアダプターとフランジバックのまとめ

・マウントアダプターをつけても画角や焦点距離は変わらない

・フランジバックが長いカメラにはマウントアダプターがつけられない

・マウントアダプターにより使えなくなる機能がないか事前に確認が必要

カメラやレンズは様々なメーカーが多くの種類を出していますが、気に入ったカメラはマウントアダプターを使えばつけられる場合があります。

買い替えの際でも、想い出のレンズはぜひそのままお持ちください。

オールドレンズへの世界へも、マウントアダプターがあれば沼れますよ!

それでは、ご拝読ありがとうございました!

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