こんにちは!
PHOTO-TABI〜パパカメラ〜ブログを運営するだいだいです!
カメラ好きが功を奏してカメラ設計者のお仕事を始めました。
そのため、これまで勉強の意味を込めて記載していた【カメラnote】シリーズから、【カメラ設計者のひとりごと】と少し専門性を高めた視点でカメラに関する備忘録的な記事を始めたいと思います!
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本日は、【カメラ設計者のひとりごと】第一回ということで、カメラ操作の代表的な機能であるf値・シャッタースピード・ISO感度の関係性についてお話しします!
オート撮影されている方がAv撮影をするきっかけになったり、頻繁にマニュアル撮影されてる方の復習になれば嬉しいです。
f値・シャッタースピード・ISO感度って撮影の基本だけど、どの設定がベストなのか意外と難しい…
最初は難しく感じるけど、脱初心者の一歩って感じで、扱えるようになると撮影の幅が広がるよ!図を使って簡単に説明するから、雰囲気覚えていってね!
・f値 シャッタースピード ISO感度のメリット デメリットを知りたい人
・f値 シャッタースピード ISO感度の関係性を知りたい人
・各値のおさらいや各シーンにおける最適な設定を復習したい人
直接お話を聞きたい方は、よければInstagramからコメントorDMください。
可能な限りご相談にのります!(下の画像からInstagramに飛べます。)
f値とは
絞りまたは虹彩(アイリス)とも呼ばれる、カメラに入る“光の量”を調節する機能です。
f値はレンズに依存します。
レンズの性能を表す重要なパラメータなので、レンズにはf値が必ず記載されています。
例えば、下図のCanonレンズでは、レンズのふちに記載されていますね。
広告にも大々的に表示されています。
記載方法は、①F◯◯ ②F△△-□□ の2パターンあり、どちらも最小(開放)のf値が記載されます。
②はズームレンズに多い記載で、ズームすることで最小f値が変動してしまうことを意味します。
f値で大切なことは2点です。とりあえずこれだけ覚えて次に進みましょう!
〇数値が低いほど : “明るく”・”ボケる=ピントの合う範囲が狭い”
〇数値が高いほど : “暗く”・”ボケにくい=広い範囲にピントが合う”
シャッタースピードとは
SSとも略される、レンズから入る光を“カメラで何秒間取り込むか”を調整する機能です。
シャッタースピードはカメラに依存します。
シャッターの種類は”電子”と”メカニカル”の2種類があり、ミラーレスが主流となる現在は”電子シャッター”が流行っているように感じます。
“電子シャッター“のメリット
①シャッター音が無音:イメージセンサーで入力を制御しているため。
②高速撮影が可能:メカ的な機構がないため電子的なスピードで制御が可能。
③メカニカル部分の故障がない:メカシャッターの駆動部がない分、故障確立が減る。
④ブレがない:メカニカルによる振動がない分、写真がブレない。
“メカシャッター” のメリット
①早い動きに強い:電子シャッターで発生する動体歪(ローリングシャッター)が発生しにくい。
②フリッカに強い:蛍光灯環境下でもフリッカが発生しない。
→電子シャッターの場合はイメージセンサーの上から順に入力をOFFにするイメージ。メカシャッターは一瞬で全て閉じるイメージです。
シャッタースピードで大切なことは2点です。とりあえずこれだけ覚えて次に進みましょう!
〇時間が長いほど : “明るく”・”ブレやすい=早い被写体に不利”
〇時間が短いほど : “暗く”・”ブレにくい=早い被写体に有利”
ISO感度とは
正式名称はアイエスオー感度ですが、イソ感度・ゲインとも呼ばれ、レンズから入る光をカメラで“どれくらい増幅させるか”を調整する機能です。
ISO感度はカメラに依存します。
基本的には”標準(常用)”ISO感度内で利用すれば、それほど画質に影響なく利用できます。
イメージセンサーの性能により取り込める光の量が異なり、感度が低いイメージセンサーは暗部にノイズが発生しやすくなります。ISO感度を上げることにより、暗部も無理やり見えるようになりますが、その分のノイズも見えやすくなってしまいます。
ISO感度で大切なことは2点です。とりあえずこれだけ覚えて次に進みましょう!
〇数値が高いほど : “明るく”・”ノイズが増える”
〇数値が低いほど : “暗く”・”ノイズが少ない”
3つの関係性・Ev値(露出値)とは
f値・シャッタースピード(以下SS)・ISO感度の特徴のまとめです。
何となく雰囲気が分かればそのうち慣れていきます!
次は、それぞれがどのように関わってくるのか説明していきます。
3つのパラメーターは光の量を示す“Ev値”にて計算することができます。
Ev値=f値+SS+ISO感度
SSとISO感度は2の倍数ごとに±1Ev、f値は1.4の倍数ごとに±1Evを換算します。
例えばf値がf2.0からf2.8になれば、明るさが1/2になるため、+1Ev(1.4倍)です。
例えば、SSが1/30秒から1/60秒になれば、光の量が2倍入るようになるため-1Evとなります。
例えば、ISO感度が100から800になれば、光の量が8倍となるため-3Ev(8倍)となります。
明るくなると-Evになり、暗くなると+Evになる感覚はイメージと繋げづらいですが、基準の”0Ev”が”f1.0″と”ISO100″と1番明るいところを使ってるので、都合上暗くなる方向が計算しやすく、符号が逆になったのかと思いました!
また。Ev値の絶対値的計算は“f1.0″+”SS1.0秒”+”ISO100″=”0Ev”を基準に考えます。
よくEv計算には下記表が使われます。2次元表のためf値とSSしか記載がありませんが、ISO感度は全体に±1をすれば計算できます。
計算方法はポイント性みたいな感じですね!
例題です。
f2.8・SS1/60秒・ISO100の時、もっと背景をボケさせたいためf1.4としました。ノイズは増やしたくありません。同じ明るさで撮るには、SSをどうすればよいでしょうか?
・・・・・
正解は、SS1/250秒です。f値を開放して明るくなった分、SSを下げても問題なくなった感じですね!
Ev値の使い道
Ev値は実際の場面で「同じ明るさを維持したままSSを2倍(+1Ev)したい時、f値やISO感度を-1Evすればいいんだな」というように使います。
とはいえ、Ev値はデジタルカメラの時代はマニュアル撮影以外では考える必要がありません。
フィルムカメラはオートモードがなかったので、自分で明るさの目安を計算して決めていたそうですが、今ではカメラが自動で適切な値に調整してくれます。
それでも、カメラを使いこなすためにユーザーが操作できることはあるので次章でご説明します!
実際にユーザーが操作すること
Ev値に関してユーザーが操作できるのは、“側光モード”と”露出補正”です。
側光モードとは、写ってる範囲のどこに明るさの重きを置いて調整するか決める機能です。
露出補正とは、カメラが決めたEv値に対して、ユーザーが±1/3Ev単位で追加注文する機能です。
基本的にカメラはこのような順番で動いています。
①側光
②Ev値確定
③Ev値ユーザー補正(露出補正)反映
④f値・SS・ISO感度確定(AvやFvだと一部指定)
⑤撮影
そのため、私たちは”どこに明るさの平均を持っていきたいか”側光モードで選択し、画面を見て“明るく/暗くしたい場合”は露出補正を設定を行います。
ちなみに、Evは±1Evで2倍も明るさが変わるので、最初は1/3Evか2/3Ev上げるのをおすすめします!
シーン別の設定例
Evから一旦離れ、シーン別【f値・SS・ISO感度】の設定方法について、考え方の参考例を記載します。
ポートレートの場合
Avモードもしくはマニュアルにて撮影します。
考え方としては、背景ボケを重視し、ブレ・ノイズがないのがいいと思います。
◯f値 : 1番小さく(開放)する。
◯SS : 最初は1/500程度〜夜はブレない程度まで長く(露光)する。
◯ISO感度 : SSで対応できなくなったら高くしていく。
風景・夜景の場合
Avモードもしくはマニュアルにて撮影します。
考え方としては、背景がボケず画質がいいところを狙い、ブレ・ノイズを抑えるのがいいと思います。
◯f値 : 最高画質になるf8〜11程度
◯SS : ブレない速度で。三脚など使えれば長時間露光可!
◯ISO感度 : なるべく使わない。
スポーツや子供の場合
Fvモードもしくはオートにて撮影します。
考え方としては、被写体の動きが早いので、ボケ過ぎたりブレすぎたりしないように心がけます。そのため、暗い環境ではまずISO感度から検討し始めると良いと思います!
◯f値 : 被写体を強調しつつも動きが早いので、ボケ過ぎないf2.8~4.5くらい。
◯SS : 可能な限り早く!ブレてしまっては意味がありません。
◯ISO感度 : ノイズ感が気にならない程度にあげてしまう。
まとめ
最後に要点だけまとめます!
・f値 SS ISO感度は用途によって使い分ける。
・3つのパラメータはEv値の計算でできる。
・ユーザーは露出補正機能で好みの明るさを調整できる。
仕組みを理解したうえで、AvやFv設定を正しく使えることができれば、マニュアル操作をしなくても理想の写真を撮ることができます!
脱初心者・安定した中級者を目指している方はぜひ意識してみてくださいね!
一緒にカメラを勉強して、写真ライフを楽しみましょう。
それでは、御覧いただきありがとうございました。