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PHOTO-TABI〜パパカメラ〜ブログを運営するだいだいです!
カメラ好きが功を奏してカメラ設計者の仕事をしています。
仕事と趣味で学んだ内容を発信していくので、どうぞ見ていってください!
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本日は、暗い環境で明るい写真を取るための方法について、カメラ設計者の技術者目線から露光設定のWEBアプリ付きでご紹介していきます!
朝やお昼はスマホでも綺麗に撮れるけど、夜になると
・輪郭がぼやける
・ノイズだらけになる
・暗くて思い出が残らない
…などお悩みの方は多い思います。
せっかくカメラを買ったのにこれだとスマホで十分じゃないか…と感じてしまいますよね。
実は、暗い環境でも昼間のように綺麗な写真を撮るには大きく分けて4つのアプローチがあります!
・機材選び(センサーサイズ・明るいレンズ)
・撮影方法(F値・シャッタースピード・ISO感度の露出設定)
・応用技術(三脚やHDR)
・画像処理(RAW現像によるレタッチ)
スマホの進化は目覚ましいですが、夜間撮影においては依然として「一眼カメラ」に大きなアドバンテージがあります。 それは、ソフトの処理能力の差ではなく、「光を受け止める面積」という物理的な制約が違うからです。
カメラ設計者の視点から、光をどう効率よく「集めて」「処理するか」の全貌を解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください!

・夜でも明るく綺麗でノイズの少ない写真が撮りたい方
・夜景や暗所(室内・ステージ)、夜間撮影などの暗い環境で写真を撮ることが多い方
・せっかくなのでスマホカメラと違う性能を持った夜に強いカメラの購入を検討中の方
直接お話を聞きたい方は、よければInstagramからコメントorDMをください。
可能な限りご相談にのります!(下の画像からInstagramに飛べます。)
1. 【機材編】夜に強いカメラとは
カメラ設計をする際、暗所で最も気になるのは「ノイズ」です。
暗い場所では信号(光)が極端に少ないため、相対的にノイズが目立つようになります。
ノイズをいかに減らしながら、光量を稼ぐかが暗所で撮影する際の大切なポイント!
また、input(入力)以上の情報をoutput(出力)することはできないため、まずはinputの段階で品質を向上するための機材選びが重要になります。
この辺りの解説は、カメラの操作方法を解説した記事には載っていない部分もあると思うので、少し新鮮かもしれません。
F値の低い「明るいレンズ」を選ぶ
レンズの「F値」は、光の通り道の広さを表します。
大切なのは、数値が小さい(f/1.2やf/1.8)ほど一度に多くの光を取り込めるということ。
また、F値が1段(1.4倍)変わると光量が2倍変わるということ。
f値は√2(1.4倍)ごとに光の量が2倍取り込めるようになるので、f2.0とf2.8は数字以上に差が大きいことになります。
レンズのf値の並びが[1.4 → 2.0 → 2.8 → 4.0 → 5.6 → 8.0 → 11 → 16 → ….]となる理由は、この√2倍から来ています。少し覚えにくいですよね。
つまり、明るいレンズを使うだけでシャッタースピード(手振れ)やISO感度(ノイズ)への影響をへらした明るい写真が撮れるようになるため、f値の小さいレンズを使うことは非常に有効な手段となります!
- 設計者のワンポイント: 単焦点レンズはレンズ枚数を抑えつつ口径を大きくできるため、暗所に非常に有利です。単焦点レンズは、ズームレンズに比べ安く・小型なので撮影する画角が決まっている方には大きなメリットがあります!
センサーサイズとピクセルサイズの大きさ
「大きなセンサー(フルサイズなど)」や「1画素あたりのサイズ(ピクセルピッチ)が大きいカメラ」は、光を受ける面積が広いため、ノイズの少ないクリアなデータが得られます。
センサーサイズについて
フルサイズやAPS-C、1/2.3インチなど、イメージセンサーには複数のサイズがあります。
イメージセンサーが大きいほど、より多くの光を受けられるため、光の少ない暗い環境でも明るく撮れる仕組みです。
通常は用途に応じてセンサを決定しカメラを設計していくのですが、一眼カメラはフルサイズやAPS-Cがほとんどのため、購入する側はそのどちらかを選ぶことになります。
スマホよりカメラの方が夜に強い理由もここにあります。
カメラの方が筐体(ボディ)が大きいため、大きいイメージセンサーを採用できるので、スマホよりも明るい写真が撮れるということですね!
1番大きいのはフルサイズなので、暗い環境で撮影をする場面が多い方はフルサイズを選びましょう!
センササイズの詳細はこちらの過去記事をどうぞ!
ピクセルサイズ(画素の大きさ)について
イメージセンサーサイズの次は、ピクセルサイズ(画素の大きさ)のお話です。
画素(ピクセル)も大きいほど、光を多く取り込めるため、夜間のようなわずかな光でも感度よく受光できて写真にすることができます。
つまり、高感度のカメラが欲しい場合は画素の大きいカメラを選ぶことが大切です!
ここで、画素の大きなカメラの見極め方についてお話しします。
画素数は3840×2160などと記載されており、写真をどれほど高精細に写せるかを示します。
また、イメージセンサーの中にいくつ画素が入っているかも読み取れます。
画素数の表記が高いものほど、イメージセンサーに画素が多く入っていることになるため、1つのピクセルサイズが小さいと言えます。
例えば、4000×3000の高画素カメラと2000×1500の低画素カメラがあって、同じフルサイズだとどっちが明るく撮れるの?
同じフルサイズの場合は、2000×1500の方が一つのピクセルサイズが大きいため、明るく撮れ、夜に強いカメラと言えるよ!
最近話題の1億画素というのは、日中の画質は素晴らしいものですが、その分夜間の撮影には弱い特性を持っています。
- 設計者のワンポイント: 基本的には画素数が低い方が夜間撮影は強いけど、イメージセンサの進化は日進月歩なので世代が異なるセンサは単純に比較できないのが難しいところ!より効率よく受光できるようになっているイメージセンサは画質も夜間も強い場合があるよ!
画素数に関してはこちらの過去記事をどうぞ!
2. 【設定編】「露出の三角形」を操る
カメラには「露出の三角形(F値・シャッタースピード・ISO)」がありますが、夜間撮影ではこの調整順序がすべてを決めます。
① F値
② シャッター
③ ISO
それぞれの関係性をより深く説明したこちらの記事もよければご覧ください!
ステップ1:F値を下げる(開放にする)
夜間撮影の基本中の基本は、F値をそのレンズの最小値(開放)に設定することです。
「少し絞ったほうが解像する(画質がよくなる)」という定説もありますが、夜間においては「解像感」よりも「光量」が優先されます。
1段絞るくらいなら、開放で撮ってISO感度を下げるほうが、最終的な画質(低ノイズ)には有利です。
f値は√2(1.4倍)で明るさが2倍になります。
つまり、シャッタースピードやISO感度の2倍分をここで稼げるわけですね。
- メリット: 最も手軽に明るくできる。
- デメリット: ピントの合う範囲が狭くなる(ボケやすくなる)。
ステップ2:シャッタースピードを遅くする
シャッタースピード(SS)を2倍に長くすれば、光量も2倍になります。
ここで気にしないといけないのが手振れやモーションブラー(被写体ブレ)です。
シャッタースピードを長くしすぎると、せっかく明るく撮れてもブレブレな写真になってしまいます。
読み方は簡単で、シャッタースピードの数字は、撮影時間が倍になると明るさも倍になる比例の関係にあります。
f値に比べるとわかりやすいですね!
- メリット: ノイズやボケ(被写界深度)に影響なく明るさを上げられる!
- デメリット: ブレた写真になる可能性が高い。
シャッタースピードの目安は下記です。
| シーン | シャッタースピード |
|---|---|
| スポーツ・子供 | 1/200~1/500以上 |
| 手持ちスナップ | 1/60〜1/125 |
| 夜景 | 1〜5秒 |
| 星 | 10〜20秒 |
- 設計者の目線: ここで重要になるのが「ボディ内手ブレ補正(IBIS)」です。最近のカメラは5段〜8段分の補正が効くものもあり、手持ちでも数秒の露光に耐えられるようになってきました。ただしこれはレンズ側にもIS機構搭載・非搭載のモデルがあるため、すべてに当てはまるわけではないので注意!
ステップ3:ISO感度を上げる
ISO感度はセンサーに届いた光の信号を、電気的に増幅させます。
ただし、「画質と引き換えの明るさ」です。
ISOは「感度」と呼ばれますが、実際にはセンサーが受け取った微弱な電気信号をノイズごと「増幅(アンプ)」しているだけなので、万能機能というわけではありません!
ISO感度はシャッタースピードと同様に、2倍すると明るさも2倍になる比例の関係にあります。
- メリット: ボケ(被写界深度)やブレに影響なく手軽に明るさを上げられる。
- デメリット: ノイズが多くなる。
| カメラ | 許容ISO目安 |
|---|---|
| スマホ | 400 |
| APS-C | 1600 |
| フルサイズ | 3200〜6400 |
- 設計者のワンポイント: 増幅すると同時に「電気的なノイズ」も増幅されてしまいます。自分のカメラがどこまでノイズを許容できるか(常用ISO感度)を知っておくのがコツです。
露出のイメージWEBアプリ
上記の露出の三角形については、最初はイメージし辛いと思うのでWEBアプリを作成しました。
被写体は道後温泉で撮影した猫ちゃんです!!
操作手順はこちら。
- 「明るく撮る」練習: F値を小さく、シャッタースピードを遅く、ISO感度を上げると、どのように明るくなっていくのか変化を見ていきましょう!
- 「ノイズを抑える」練習: ISO感度を「400」以下に保ったまま、露出メーターを「0」にするには、他の2つの設定をどう動かせばよいか考えてみましょう。
- 「夜景撮影をイメージした長時間露光」練習:シャッタースピードをの[4s]にした時、露出メーターを「0」にするにはどうするか、他のパラメータを操作してみましょう。ノイズは最小限に。
Tips: 実際の夜景撮影では、ノイズを避けるために「ISOは低く、シャッタースピードは遅く(三脚を使用)」するのが鉄則です!
ちなみに、解像感が1番いいf値は[5.6〜8]くらいです。
ボケやブレの機能は搭載できませんでしたが、明るさのコントールを少し体感できれば嬉しいです。
Night Photography Simulator
低照度撮影:露出とISOノイズの関係
3. 【番外編】撮影時にできる特殊な技法
ストロボ(フラッシュ)の使用
「光がないなら光らせる!」というのがストロボです。
カメラ上部にあるストロボ着脱部(アクセサリーシュー)にストロボをつけて、撮影に合わせて光らせます。
暗い環境でも一定の明るさを保てるため、ノイズの軽減やシャッタースピードを確保することができるので、光らせられる環境なら使ってみてもいいと思います。
- 使用上の注意点: 天井や壁に光を反射させる「バウンス撮影」を使うと、いかにもフラッシュを焚いたような不自然さを消し、柔らかい光で明るく撮れます。相手に向けると反射による白飛びや眩しくて目が痛いなどデメリット多めです!
三脚などによるカメラ固定
夜などの写真を明るく撮影するには、シャッタースピードを長い時間確保する必要があります。
しかし、手振れというデメリットがありました。
これを最小限にするのが三脚や一脚・カメラをどこかにおいて撮影することで手振れを押さえた長時間露光です。
こうすることでf値やISO感度を必要以上に攻める必要がなく、夜間でも明るい写真が撮影できます。
デメリットは、被写体が動くとブレた写真になることです。
- ワンポイントアドバイス: 向いている被写体は夜景です。
数秒であればポートレートも可能ですが、些細な揺れでも輪郭を落としかねないので、あまりおすすめはできません!
HDR(ハイダイナミックレンジ)撮影
明るさの違う写真を複数枚撮影し、合成することで「白飛び」と「黒つぶれ」を同時に防ぎます。
仕組みは、露出の明るめ寄り・暗め寄りを瞬時に2枚撮影し合成することで、広い範囲の明るさをカバーできることからレンジ(範囲)が広いということでHDRと呼びます。
最近のスマホ写真が夜でも綺麗な理由は、ほぼHDR処理のおかげです。
合成枚数を増やすほど広い範囲の撮影はできますが、合成時に被写体のわずかなブレが発生するなどデメリットもあります。
これを防ぐのがDCGという最新技術ですが、この辺りはまた別の機会に話したいと思います。
- ワンポイントアドバイス: カメラでもHDR機能はほとんどの機種で搭載されています。初めは被写体が動かない、風景撮影などで活用してみてください!
4. 【レタッチ編】現像で真価を発揮させる
RAW保存と写真現像
夜間の撮影にこだわる場合、JPEGではなく「RAW」形式で保存し、自分で現像・レタッチをしていきましょう。
RAWのメリットはたくさんあります。
・明るさを後から上げられる
・ノイズ低減できる
・色が崩れない
なぜjpegとこうも差がつくのか、それは「データ量」にあります。
jpegはRGBがそれぞれ8bitの256階調で作られるため、合計色としては16,77万色(256×256×256)階調の再現ができます。
一方で、RAW画像はRGBの各色が12~16bitのデータを保持することが多く、12bitだとしても687億色(4096×4096×4096)階調を操作することができるため、最終的な現像がjpegだとしても、自分好みに白飛び・黒潰れする箇所を救い上げることができます。
そのため、RAW画像で保存することも夜間の撮影ではとても大切となります!
写真ソフトのHDR合成
機材を利用する際にもHDRという技法が出てきましたが、レタッチソフト側でもHDR合成が可能です。
レタッチソフト側では、1枚の画像から作るHDR画像と、事前に2枚以上異なる露出設定で撮影した画像を合成する手法があります。
| 元画像枚数 | 1枚(疑似HDR) | 2枚以上(合成HDR) |
| 手軽さ | RAW画像であればOK | 撮影時に異なる明るさで2枚 |
| 画質 | 暗部にノイズが多い | 鮮明な画像 |
| 輝度範囲 | RAW保存範囲内 | カメラの露出次第(ほぼ無制限) |
| 適した被写体 | 人・乗り物などの動くもの | 風景・夜景などの動かないもの |
| 弱点 | HDRの範囲が狭い | 動くものだとブレる |
RAW画像1枚による疑似HDRは、RAW画像時にハイライトを下げ、シャドウを上げるなどの処理により、コントラストの低い画像を作ることでjpeg範囲内でも広く明るさを残す手法です。
それと異なり、2枚画像は、カメラのHDR撮影ができなかった場合に備え、あらかじめ2枚同じシーンで異なる明るさ設定で撮影した2枚の画像を、後から合成して広い輝度範囲を残す手法です。
こちらはカメラであらかじめ暗い部分を明るく撮影しているので、ノイズの発生も抑えられクリアな写真が撮影できます。
【挑戦】夜撮影の簡単フロー!
これまでのフローをまとめるとこのような感じになります。

機材選びからレタッチまで、光の入力から出力までを丁寧に処理することで夜間の撮影は簡単にできます!
ただ、被写体や被写界深度(ボケ感)など、環境によりベストの設定は異なるので、たくさん撮って慣れることが大切です。
まとめ
本記事の内容をまとめます!
1.機材:f値が低いレンズ・大きなセンサーを搭載したカメラを購入する。
2.撮影:f値・シャッタースピード・ISO感度を可能な限り攻め、三脚やHDRなどの技法も可能なら利用する。
3.レタッチ:RAW画像のレタッチで黒潰れしている部分を積極的に明るくしていく。
夜間・暗所での撮影は機材・設定・レタッチのすべてが重要と分かりました。
しかし、これらの撮影方法はすべて物理的な現象であるため、才能が必要なわけではありません。
つまり、一つずつ積み上げることで確実に夜でも明るく撮れるようになるので、できるところから始めてみてくださいね!
以上、ご拝読いただきありがとうございました。
ぜひ、心に残った風景や大切な人との素敵な時間をカメラに残してください!





